政策について
Q: いま、どのような人が表現規制をしているのですか?
最近では、政府による規制は山田太郎議員が止めているため目立たなくなり、代わりにプラットフォーマー(民間)、地方の行政・議員などによる規制が問題として表に出てきています。
Q: 山田太郎、何もやってないだろう

どちらが正しいのでしょうか? なぜ評価にそんなに違いが出るのでしょうか?
正反対の評価になる一番の大きな原因は「議員に何を期待するか」の違いで生じます。
「何もやってない」という方は
- 「コンテンツに対する攻撃的な批判に対して反論して欲しい」
- 「批判を規制して欲しい」
と議員に期待しています。
一方で「凄いやっている」という方は、山田太郎議員が積み上げてきた
- 「立法・行政の分野の実績」
を評価しています。
この違いが、根本的な評価の差になります。
そして山田太郎議員の活躍は、
- 表現規制の法律を止める
- 行政が表現規制を行うような運用を止める
が主となります。
確かに山田太郎議員は「コンテンツに対する批判に対して反論して欲しい」「批判を規制して欲しい」といった要望には、ほとんど応えていません。そのため評価は「なにもやってない」になるでしょう。
ただこれは公権力である議員としてごくごく当たり前の態度ですし、とりわけ山田太郎議員は「表現の自由」を標榜している議員ですので、コンテンツに対する批判も表現の自由と考えます。
むしろ、山田太郎議員が関わることで、表現規制派の議員を呼び寄せてしまうおそれすらあります。そうなると批判の激しさは一層増し、仮に批判合戦で勝ったとしても、肝心の守るべきコンテンツはぼろぼろになってしまいかねません。
もしこれを読んでいる方が
「オピニオンリーダーになって攻撃的なコンテンツ批判に反論して欲しい」
と考えるのであれば、確かに山田太郎議員はその要求に応えてくれる議員ではないかもしれません。
ただその役割は国会議員でなくてもできることではないでしょうか? 国会議員には、国会議員にしか出来ない、法律の制定と行政の監視の分野に集中して活躍していただくのが一番いいのではないかと私は考えます。
Q: たった一人の議員で表現規制なんて止められるわけ無い。大げさすぎる。

A: 山田太郎議員の「表現の自由の守り方」は、国会中継でよく見る野党の戦術と全く異なります。
「はんたーい!」と叫ぶことはまずありません。
2016年の国連女子差別撤廃委員会勧告に対抗するケースを見てみましょう。
このとき女子差別撤廃委員会は漫画・アニメ・ゲームなどの表現物が性暴力を助長していると断定し、これら創作物の製造・配信を規制するよう日本政府に勧告してきました。
放っておくと、たいして興味のない政府は「おっしゃるとおりですね」と賛同してしまい、「漫画・アニメ・ゲームは性暴力を助長するもの」という評価が固まり、どんどん規制が進んでしまう恐れがありました。恐ろしい。
国連女子差別撤廃委員会は、
- 「犯罪を誘発する可能性がある」
- 「それ自体が人権侵害」
- 「サイバー犯罪条約上日本は守る義務がある」
などと、とても乱暴な理屈で日本政府に表現規制を迫ろうとしていたのです。
そこで山田太郎議員は先手を打って、国会質疑で政府に確認し、重要な答弁を引き出します。
「犯罪を誘発する可能性がある」に対し、
岸田外相「根拠を求める」(女子差別撤廃委員会は出せず)
「それ自体が人権侵害」に対し、
岩城法相「創作物に人権はない」
「条約上日本は守る義務がある」に対し
閣議決定「日本は条約上、義務を負っていない」(サイバー犯罪条約では創作物規制を留保してるから)
以後、政府はこの答弁に縛られることになりますし、官僚も、この答弁に従って行政の実務・法整備を進めます。
国会質疑って「なんでこんなアタリマエのことを聞いてるんだろう」と感じることが多いですが、政府・行政がどちらの方向に進んでいくかを決めるとても重要な作業なんです。
しかも、山田太郎議員の場合この答弁は、「欲しい答えが貰えそう」というのを事前に十分政府に確認したうえで行います。
なぞなぞなんて絶対出しません(笑)。
事前の折衝で欲しい答えが貰えそうになければ、質疑自体やめてしまいます。
たとえば上の質疑で「創作物とはいえ人権には配慮が必要だ」なんて答えが返ってきたら、以後その答弁に従って行政がガイドラインを作っていくことになり目も当てられない状況に陥ります。
このように国会質疑を非常に有効に使い、「言質」を取りながら表現規制を防ぐという方法を得意としているのが山田太郎議員なのです。
Q: 刑法175条(わいせつ物頒布罪)の改正について、全く動きがないのですがやる気がないのでしょうか?
A: 山田太郎議員は、刑法175条のわいせつ物頒布に対する規制を日本の表現の自由における最大の課題の一つと考えています
山田太郎議員の政治手法はかなり慎重なもので、動くことで悪影響が出る場合は動きません。いきあたたりばったりなパフォーマンスは避けます。
例えば、香川県のゲーム規制問題で、香川県在住の少年が香川県を相手取って裁判を起こした時、これを応援する議員もいましたが山田太郎議員は動きませんでした。これは、万一裁判に負けたときに、ゲーム規制を導入しようか迷っている他県に対して「ゲーム規制を導入しても問題ない」という司法のお墨付きを与えてしまうからです。
また、クレジットカード会社による表現規制問題でアメリカVISA本社を訪れて副社長と面談したときも、あらかじめ折衝を重ねて「望んだ回答を得られる」と踏んだうえで訪問しています。これも、パフォーマンスで事前調整もせずに行って「いや、VISAは道徳的に問題ありと判断した商品は扱わせない方針なんです」という回答を出されたらこの問題の解決は決定的に難しくなっていました。
実際には動いて準備をしていても、表に出さずに成果が確定的になるまで静かにしていることもあります。下手に騒ぐと、反対勢力が対抗して邪魔をしていること事があるからです。
刑法175条がどのような状況にあるのか分かりませんが、下手に騒ぐと「却って規制が強くなる」おそれがあります。事実、立憲民主党、国民民主党、共産党などアダルトな表現に対する規制を強めようという強い動きがあります。
一方で、山田太郎議員は非常に粘り強く活動する議員でもあります。花粉症対策は2013年から始めて10年以上かけて政府の関係閣僚会議で議論する問題にまでこぎつけていますし、こども家庭庁も準備を始めて5年以上経ったところで現れた僅かなチャンスを掴まえて実現しています。
刑法175条についても、引き続き取り組んでおり、他にできそうな議員もいない状況ですので、ぜひ山田太郎議員にご期待いただけたらと思います
Q: 山田太郎議員が与党自民党の議員になったことで表現の自由の問題は無くなったの?
A: 残念ながら、まだ多くの問題が残っており、山田太郎議員の仕事も山積みです。
一番大きな課題としては、新サイバー犯罪条約の国内法整備で、表現規制に関する留保規定を国内法に盛り込めるかどうかが非常に重要になってきます。
また、プラットフォーマーの一種であるクレジットカード会社による規制も、まだ解決していません。
また国会議員だからといって何でもできるわけではなく、国の立法と行政の監視が主な活動範囲となります。そのため、以下のような問題には制約があります。
- 行政・司法
- 地方
- 民間
- 国際条約
Q: 温泉むすめが批判にされされたときに山田太郎は何もやらなかったから支持できない。
A: 温泉むすめの騒動は、仁藤夢乃さんがその設定について強く批判し炎上した事件だと思います。
国会議員は、民間の「これは嫌い」「これは良くない」といった言説に直接的に介入することは基本的にはしません。それこそ、表現の自由に対する圧力になってしまいます。
もし山田太郎議員に、批判に対抗するオピニオンリーダーのような役割を期待しているのであれば、確かに他の議員を探したほうが良いと思います。そもそもオピニオンリーダーは別に国会議員でなくてもできますし、それよりは立法や行政の監視といった国会議員にしかできない仕事に集中してもらう方がいいのではないでしょうか。
一方で、これが法規制や行政に及んでくる場合、山田太郎議員の出番となります。実際、温泉むすめの件では環境庁に後援をやめるべきといった意見が出ており、これには山田太郎議員も注目して環境庁にも釘を差しています。
ちなみに、温泉むすめの騒動で効果的な対応をした国会議員は誰もいないと思います。誰も支持しない、ということになるのではないでしょうか。
Q: この国会質疑は当たり前のことを聞いているように感じるのですが、やはり自民党の一員になって政府に手厳しい質疑はできなくなったのではないでしょうか?
A: 山田太郎議員は野党時代から大臣などの相手を困らせるための国会質疑をしていませんでした。
山田太郎議員にとって、国会質疑は相手の無知を印象付けようと視聴者にアピールするためのものではなく、自分の政策を実現するうえで必要なピースを集めるためのものです。
少し分かりづらいと思いますので、例を上げながら解説します。
- ネット依存症の定義に関する政府見解の明確化: 山田議員は厚労省から「ネット依存症」について科学的根拠に基づいた定義は持ち合わせていないという認識を引き出しました。これによって、文科省が進めようとしていたゲームに関する啓蒙施策に科学的根拠がないことを浮き彫りにしました。そのため文科省はゲームを悪者にした啓蒙活動を進められなくなりました。
- 新サイバー犯罪条約: 新サイバー犯罪条約について政府の立場を問いただし、「漫画、アニメ、ゲーム等の表現活動が不当に制限されることがあってはならない」と考えているという答弁を引き出しました。これによって、外務省の担当交渉官は安心して表現規制条項に反対(留保規定を残す)する立場で交渉を進められるようになりました。
このように山田太郎議員の質疑自体は非常にあっさりしたもので、しかもこの回答をもらえることを事前に官僚と調整(答弁ライン)したうえで質疑を行います。調整しても欲しい回答がもらえなさそうだ、という場合は、質疑自体を行いません。万が一、欲しい回答と反対の回答をされると政策を実現するうえでの障害にしかならないからです。
野党議員の中には、政府を悪く見せるためにむやみに質疑を行う議員もいます。政府にダメージを与えることができるのでそれも戦術ではありますが、問題の解決には役に立たちません(先述の通り、逆効果)。
たとえば、表現規制をしようとしている政府に対し、不用意に「これは表現規制じゃないか!」と問い詰めれば「そうですね、問題あると思ったから規制します」という答えが返ってくるかもしれません。
この場合「政府は表現規制をする」という悪評を与えることは出来ても、「表現規制を止める」という目的には何の役にも立たない質疑ということになります。こうした質疑は、山田太郎議員はしないのです。
Q: 山田太郎ってインボイスに賛成したので信用できない
A: まず、山田太郎議員はインボイスを含む法案には反対票を投じていますし、その後も一貫して反対しており賛成したという事実はありません。
2021年のときは、党内でインボイス延期(実施まで時間がなかったので一旦延期して時間を稼ぎ、その間に廃止に持ち込む作戦)の大論陣を張り、一時は延期獲得か、というところまで行きました。
(小山秘書) インボイス問題が税調で「いや、もうこのままやります」ということになって、そこから山田さんが帰ってきた時はなんかもう悲しんでるというよりも、燃え尽きてしょぼーんとしてるように見えたというのは結構印象的で、普段何があっても結構前を向いてずっとやってるんですが……
(山田議員) インボイスは結構十数回以上、直でやってて、かなり時間使って使ってたし、今でも使ってるんです。これはよく皆さんに素直に謝らなきゃいけないんだけど、僕は、ぶっちゃけ(インボイスの)2年延期勝ち取れると思ってたからね。やっぱり「動いたな」と思ったのは中小企業調査会だよね。あの時にインボイス反対論はものすごく、出たんですね。
これはさすがに山が動いたなと思って、このまま提言書を出してもしかしたら延長はあるかなって。動いたと思ったんだけど、次の週ですよ。中小企業調査会に行ったら反対派だらけ!「インボイスやるべきだ」っていう人だらけで、これ財務省すげえなと思ったよね。一気に雰囲気が変わってて、ぶっ潰されたもんね。甘かったよなと思って、あれで打ちひしがれたんだよね。それまでは相当仕掛けてたし、緻密にやってきたし、財務省とも交渉してきたし……。2年延期して(その間に)形変えられると真剣に思ったことがあったんだけど、負けたよね。(小山秘書) 私も山田さんとやってきて、あそこまでちょっと見事に、逆にやられたなってのはあまり経験がないので、こちらもこちらで結構ショックでした。
このあとも、経過措置として少額(1万円未満)の経費はインボイス不要にするなど、インボイスによる負担を軽減するためのいくつかの譲歩を引き出しています。
インボイス廃止を勝ち取ることができなかったのはそのとおりですが、少なくとも「インボイスに賛成した」というのは明確に誤りです。